『ムーミン名作絵ばなし かえってきたノンノン』
昭和45年に出版された、テレビ版ムーミンの絵本が入荷しました。
原作とはかけ離れた、だいぶおもしろい内容なのでご紹介します。
ムーミンはある日、おはなをつみにいって、かわいいおんなのこに出会います。
「き、きみは、だれなの?」
その子のことが気になってしかたないムーミンはスナフキンへ相談します。
「そのこのことを かんがえると、むねのところが、へんなの。」
「むねのところが へんなのか・・・。きっと そのこを すきに なったんだよ」
「どうしたら ともだちに なれるかな。」
「おうちの まどのしたで、うたを うたえば おはなしだって できるだろうね」
「そうか、あのこ ノンノンって いうのか・・・」
ムーミンはいつもパパが歌う歌を練習します。
「きみこそは わが こころのともよ。いざ、きみは たいよう、いざ、きみは まんげつ、
いざ、とくに すばらしきは、きみが えくぼなり、いざ いざ」
ムーミンがノンノンの住むテラスの下から歌いかけると
「すてきな うたね、ムーミン」とノンノンがでてきました。
しかしスノークがノンノンをとめます。「やめなさい!はしたない!」
ムーミンはノンノンとお話ができずふさぎこみます。
するとパパが「スノークと ノンノンのかんげいゴーゴーたいかいが ひらかれることを しっているかね。」
ムーミンの目の前が明るくなりました。「ゴーゴーたいかい、・・・そうだ!」
ムーミンはノンノンにプレゼントをあげようと思いつきました
そこで街角で歌を歌ってお金をかせぐことにしました。
けれど誰もきいてはくれません。かわってうたったミイの声に人々は耳をふさぎます。
ムーミンはくつみがきもはじめました。
しかし、くつを みがかせるために、みんなのくつに どろを ぬったのは、よくありませんでした。
パパにおしりを叩かれて叱られたムーミンでしたが、
それでもどうやら真珠のブローチを買えるだけのお金を貯めることができました。
「あら、ムーミン、しばらくね、おげんき?」
「うん、ぼく、きみに いいもの もってきたよ」
ムーミンは、なんだか むねが どきどきしました。
ノンノンの ひとみが ぱちぱちぱちと ほしのように かがやきました。
ところが それを みていた スノークは「なんだ、こんな やすもの!」なんて いってしまったのです。
おおきい こえでしたので、すこしのあいだ、あたりが しいんとしました。
「ぼく、おこったぞ。」
ムーミンは おもわず スノークをつきとばして しまいました。
ふたりのケンカはとまりません。。。
「やめて!おにいさん、ムーミン。」
ノンノンの流した涙が、真珠のブローチの横でひかっていました。
その涙のブローチがあんまりきれいだったので、ふたりは仲直り。
スノークはムーミンにノンノンをまかせ、帰っていきます。
スナフキンは、スノークに かたをかしてやることにしました。
おつきさまが ちょうど かおを だして、 にっこり よにんに わらいかけていました。
おしまい。
このアニメシリーズが、トーベさんから日本国内のみでしか放送を許してもらえなかったのも頷けます。
「手を伸ばさないとできないならば、ギターの演奏はやめてほしい」という旨のことも
トーベ・ヤンソンからの手紙には書いてあったそうです。
確かに無理がありますね。。。
それでも私は小さいころ、このやんちゃで俗っぽいムーミンや、ダンディなスナフキン、
のんびりしたママやパパがとっても大好きで、再放送を楽しみに見ていました。
スナフキンが原作ではギターではなくハーモニカを吹いていると知って、
「あんまりダンディじゃない・・・!!」とショックを受けたことを覚えています。
今聞くと初期アニメのスナフキンの歌声、すごくおじさんでこれもショックですが・・・
おさびしやまのうた→https://youtu.be/67mvgPG9K1Q
- 2015.07.18 Saturday
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- by July Books